神経科学者みぅの日記

ポスドクをしているみぅが普段感じていることをゆるーく書くブログ。サイエンスだけでなく日常のことも、なんでもあり。

卓越研究員事業でポスドク問題は変わるのか?

ポスドク問題とは

ポスドク問題、みなさんニュースなどで一度は聞いたことがあるでしょう。博士号を取った人(Ph.Dホルダー)が任期なしのポジションにつけず、ポスドク(任期1−3年くらいが多い)を転々とすること。特に35歳以上のポスドクをシニアポスドクと呼び、問題視している。そもそもなぜこのような問題が起こっているのか?それは、1990年頃から行われた”大学院重点化”と1995年から文部科学省が策定した施策”ポスドク一万人計画”が原因だと考えられている。これにより、大学院の定員は大幅に増加したが、大学職員の定員はほとんど変わらず、博士余剰の状態になっている。大学の研究員というのはほとんどが任期付きのポジション。研究員だけでなく、特任〜や特命〜とついている助教や講師も3年くらいの任期となっていて、普通の助教や講師とは立場が全然違う。

 

 卓越研究員制度とは

先日、日本学術会議主催の「若手生命科学研究者のキャリアパスについて考える〜卓越研究員制度の現状と未来、そしてさらなる可能性〜」に参加してきた。この卓越研究員(http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/takuetsu/)という制度は今年(2016年)から始まった新しい制度で、任期なしの不安定なポスドクについている人を助けようという制度らしい。詳しいことは上のリンク先を見ていただければいいが、簡単に説明すると「若手研究者(40才以下)のポスドク研究者を対象に、卓越研究員のポストを提示してくれた企業または大学などの研究機関とのマッチングを行い、そこで合意が得られれば働ける。」という制度。無期雇用前提かと思ったら、テニュアトラックの職もあるので、後者の場合は今までの制度と変わらないよね。ただ卓越研究員ポストには補助金がでるため、企業や研究機関は普通に採用するよりもメリットがある。

悪くなさそうだが、問題がいくつか浮上している

・マッチングがうまくいかず卓越研究員候補者になったが職にありつけない

・企業からすると40才以上は管理職のため、若い人が欲しいが卓越研究員として応募してくる人は35才前後の人が多く需要と供給があわない

・提示されているポストのうち60%は大学、つまり普通に募集する無期雇用の大学職員職が卓越研究員にくわれてしまう→40才超えの人の職探しがさらに難しくなる

 

まだ始まったばかりなのでこれから改善されることを期待するが、

日本の企業における博士号の価値が低い、活用の仕方がわからないってことや博士修了者はアカデミア思考が強く大学などの研究機関で働きたい人が多いっていうことがポスドク余りの原因になっているよう。私自身、このまま不安定なポスドクをいつまで続けるのかと不安や、企業に就職できるのか?需要あるのか?、アカデミアの方が好きな研究できそう、でも結婚して子供産むならポスドク続けるのは厳しいなど悩みは絶えない。研究者の道に進むなら安定した生活を諦めるしかないのかなと思っていたので、この制度が無期雇用の職が増えるきっかけになるといいなあ。